5回の連載形式でお送りしているアクセスアップやSEOの効果をより高めるためのサテライトサイトのポイント、第4回は、IP分散とサーバについてです。
前回の第3回はすこし重く複雑なテーマだったということで、今回は割とシンプルなサーバとIP分散についてになります。
目次
IPアドレスという言葉自体は、聞いたことがあるかもしれませんが、いまいちどいういったものかわからない人もいるのではないでしょうか。
簡単にいってしまうと、IPアドレスとは各サーバ(サイト)個別に割り当てられた電話番号のようなものです。
このIPアドレスというのは、みなさんが契約しているサーバーや無料ブログ単位で割り振られており、当然電話番号のようなものなので、同じIPアドレスというものは存在しません。
多くの場合、IPv4アドレスという、3桁の数字をコンマで4つ組み合わせたもので、111.222.333.444といった記載になります。
インターネットの利用が非常に増え、さらにスマホ等のデバイスが増大したことで、IPv4アドレスが枯渇しはじめたため、IPv6アドレスというものが策定されましたが、今のところSEO等ではあまり意識する必要はないでしょう。
サテライトサイトを作るということは、メインサイトにユーザーやリンクを誘導するというのが大きな理由の一つになります。
ということは、少なくともメインサイトとサテライトサイトの2つを持っていることとなりますが、この時、同一のIP上で運営する(同じサーバで運営する)のではなく、別のサーバで運用、しかも別のサーバというのが明確なレベルで分散させて運用することをIP分散と呼んでいます。
最近のレンタルサーバは非常に高機能で、月額数百円のサーバでも、1つのアカウントで何十ものサイトを別々のドメインで公開可能です。
そういった形で運用する場合、すべてのサイトが同じIPになります。
そして、そのサイト同士で主従関係ができてしまうと、Googleの評価として「自作自演のサイトなのでは?」というこのような勘ぐりが入る可能性があります。
そういったことを防ぐためIP分散でサイトを運営するユーザーが増えていきました。
繰り返しになりますが、IP関係でGoogleから評価を下げられる可能性があると思われるのは、
・被リンクがされているもののうちIPアドレスが同一の比率が高い。もしくはすべて同じ
と言えますが、もともとのIP分散がSEOで重要と言われるようになったのはグーグルがサイト評価のアルゴリズムで取っている特許の内容の一部が広まったためです。
グーグルのIPアドレスによる被リンク元サイトの評価というのは、IPのクラスAからクラスCまでが異なるリンクの評価を、クラスCまでが同一の場合は、
一番評価の高いサイトからのリンク以外の評価を無しにするというものです。
クラスA、クラスB、クラスCというのは、111.222.333.444というIPでいうと、111がクラスA、222がクラスB、333がクラスC、444がクラスDになり、
クラスCが同じIPというのは、
111.222.333.444
111.222.333.555
のようにクラスDのみが別のアドレスのことをいいます。
つまり、クラスCまでが同一の複数のサイトの評価は1つのサイトのみにするということは、クラスCまでが同じサイトは、自作自演のサイトと認識する
という意味になります。
SEO的には、この特許の内容を受けて、IP分散=クラスC分散というのが基本的な意味合いになっているようです。
この、IP分散によるサイト運営は、数年前まではかなり効果が高かった気がします。
しかし、実際にサーバを運営したり、すこしITに詳しい方なら、かなり無理のある評価と感じると思います。
個人や小規模の組織がサイトを制作する場合、レンタルサーバ(サイトを公開するのに必要なプログラム等がある程度そろっているサーバのこと)であれば、一つのIPのサーバを数百人が利用することはざらでしょう。
クラスC分散のIPとなると、数万人が運用しているレンタルサーバの会社単位でも数個から数十しかないはずです。
英語圏であればクラスAやクラスBno分散も多いかもしれませんが、日本のような国内でほとんど完結している国の場合は、非常に難しくなります。
そのため、クラスC以下の評価を一つとするというのは、現実のサイトの評価と大きくかけ離れてしまうため、それほど重要ではないと言えるでしょう。
もちろん、同じIPから同じようなサイトを複数運用する場合は、自作自演しやすいというのは確かなので、同じレンタルサーバでもアカウントを少し分ける等、クラスCにこだわらない程度でIP分散をするのは意味があるかもしれません。